「恋愛感情は4年で死ぬ」は本当か

「恋愛感情は4年で終了する」という話を耳にしたことのある人も多いと思います。これはアメリカの有名な人類学者、ヘレン・フィッシャー氏が著書で唱えたことから広まった説です。
しかし、だからこそ人は愛情を維持する努力をできるのかもしれません。
人は、強い快感や不安感から結婚する
ヘレン・フィッシャー氏は、恋愛に大きな役割を果たす脳内物質として、「ドーパミン」や「ノルエピネフリン」「セロトニン」などを挙げています。

ドーパミンやノルエピネフリン(ノルアドレナリン)は、快感や興奮をもたらす物質として知られ、恋愛においても「恋は盲目」状態を作り出すために欠かせないものだと考えられます。特に恋の始まりには大量に分泌され、まさに「世界は2人のために」という感覚を生み出すのです。

一方「セロトニン」は安らぎをもたらす物質ですので、分泌量が減ると不安感を覚えるようになります。恋愛で相手のことばかり考えてしまう人は、まさにセロトニンが低下しており、逆にドーパミンが大量に分泌されている状態だといえるのです。

このように、恋愛で盛り上がっている人の脳内では「興奮と快感」、そして「強い不安」が渦巻いているとフィッシャー氏は指摘します。これが人を恋愛へと駆り立て、結婚、つまり子孫繁栄へと導くのです。

ただしこれらの脳内物質のレベルは、恋愛が始まって3~4年経つと徐々に落ち着いてくることが分かっています。実際アメリカの調査でも、離婚がもっとも多いのが「結婚後4年」であり、こうしたことから「恋愛は4年で終わる」という結論に至ったようです。
長い目で人生を見れば、パートナーを大切にするべき!?
こうして見ると、既婚者にとっては寂しさを感じてしまいますが、逆にこの事実を知っておいたほうが対策できるともいえます。ものは考えようなのです。

確かに別の研究でも、「人間は3~4年でパートナーを変えるのがもっとも自然」という結果が出ています。それは男女が出会って子どもをもうけ、その子がもっとも手のかかる時期まで、という計算になるようです。つまりその後は両親がそろっていなくても何とかなる、ということなのでしょう。

しかし人間社会はそう簡単にはいきません。特に平均寿命が男女ともに80歳を越える今の日本では、生殖が終わってからの人生のほうがはるかに長いのです。まだ若く性欲の旺盛な時期には、あちこちに目移りしてしまうものですが、それが必ずしも幸せに結びつくとはいえません。
2人で責任を持って子どもを育て、そして脳内物質が落ち着いても夫婦仲を維持するために努力をする…本当に幸せな老後は、その先にあるかもしれないのです。

互いを激しく求め合うような時期は過ぎ去っても、努力しだいである程度のときめきはキープできますし、温かな愛情も育んでいくことができます。「ドーパミンが出なくなったからおしまい」では、永遠に愛の放浪者となってしまうでしょう。
簡単に離婚を考える前に、ものすごい確率で出会って結ばれたパートナーをぜひ大切にしたいものですね。